礪波市(富山) 野谷荘司山(1797.2m)、美濃原山(1756m)、妙法山(1775.5m) 2021年5月6日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 3:10 登山口−−6:19 野谷荘司山−−7:16 美濃原山−−7:44 妙法山 8:09−−8:39 美濃原山直下−−9:35 野谷荘司山 9:47−−11:00 登山口

場所岐阜県大野郡白川村/石川県白山市
年月日2021年5月6日 日帰り
天候
山行種類残雪期の山
交通手段マイカー
駐車場登山口前に駐車場あり
登山道の有無あり。ただし美濃原山だけは無し
籔の有無美濃原山山頂付近はコメツガ、ハイマツの激藪。それ以外は藪は皆無
危険個所の有無妙法山山頂直下は急雪面で滑落注意
山頂の展望無し
GPSトラックログ
(GPX形式)
ここをクリックしてダウンロード
コメント仙人窟岳から中1日の休養で妙法山往復を実行。先日の新雪は昨日の雨でほぼ溶けて快適な残雪歩行ができた。登山道が巻いてしまう美濃原山は強固な低木の激藪。最後の妙法山山頂直下が急雪面で軽ピッケルと軽量10本爪アイゼンでは不安なくらいだったがどうにか突破できた




登山口の駐車場。今日も夜明け前に出発 標高1030m付近
標高1280m付近 標高1300m付近
気温は+6℃ 標高1330m付近から見た立山、剱岳
標高1330m付近から見た槍ヶ岳〜穂高連峰
標高1380m付近。5時に日の出 標高1380m付近
標高1520m付近。右の二コブのピークが県境稜線
1602m峰から見た西側の展望
1590m鞍部 県境の1740m峰直下。2日前の自分の足跡
今回は西へ向かう 野谷荘司山への登り
野谷荘司山山頂
野谷荘司山から見た北〜東の展望
野谷荘司山から見た立山〜剱岳〜剱岳北方稜線
野谷荘司山から見た立山〜薬師岳〜黒部五郎岳〜双六岳
野谷荘司山から見た槍ヶ岳〜穂高連峰〜乗鞍岳
野谷荘司山から見た木曾御嶽 野谷荘司山から見た小秀山
野谷荘司山から見た恵那山 野谷荘司山から県境稜線を南下開始
1720m鞍部北側 1770m峰への登り
1770m峰北の肩から見た野谷荘司山 1770m峰山頂
1770m峰の主三角点 1770m峰南の肩
1750m鞍部から見た1780m峰 1780m峰。2日前のトレースはここまで
1780m峰から見た北側の展望
1780m峰から南西へ下る 地形図を確認しなかったため南の急な雪面を下った
1685m凹地東から見た1690m鞍部。あっちを通過すれば良かった
美濃原山への登り 美濃原山山頂直下。残雪は県境東側に続く
残雪は山頂に達しておらず藪に突入 美濃原山山頂。矮小なコメツガ、ハイマツの強固な藪
山頂から南西を見ている。左の残雪に下る 県境稜線東の残雪帯を下った
正面に妙法山が見えてきたが相当な急斜面 1640m鞍部から見た妙法山。いきなり超急登
鞍部から北西にズレてダケカンバの樹林帯を登ることに ここを登った。木があるので滑落のリスクが減る
標高1700m付近 標高1720m付近
標高1740m付近。最も傾斜がきつく滑落注意 標高1750m付近。傾斜が緩む
妙法山山頂。雪は全くない ささやかな山頂標識
妙法山から見た360度パノラマ展望
妙法山から見た南西〜西〜北側の展望
妙法山から見た乗鞍岳南部の山
妙法山から見た南アルプスと中央アルプス
妙法山から見た槍ヶ岳〜穂高連峰
妙法山から見た立山〜剱岳〜剱岳北方稜線
妙法山から見た薬師岳〜黒部五郎岳〜双六岳
下山時の超急斜面。でも登りより恐怖感が薄かった 安全地帯まで下った
美濃原山。尾根右側の残雪帯を下ってきた 美濃原山への登り返し
今日は風が弱く扇が活躍 美濃原山直下から見た1780m峰
帰りは1780m峰西側を巻いた。標高1730m付近 最初の谷を横断。切れ込みが急で登り返しが面倒
対岸は藪が出かけていた 2つ目の谷を横断
2つ目の谷は対岸で藪が出ていた 谷さえ無ければ快適に歩けるのだが
3つ目の谷を横断 さらにトラバースを継続
野谷荘司山南の1720m鞍部で県境に復帰 カモシカの足跡
標高1770m付近 野谷荘司山山頂
野谷荘司山から見た三方岩岳〜馬狩荘司山
野谷荘司山から見た笈ヶ岳、大笠山
野谷荘司山から見た三方岩岳、笈ヶ岳、大笠山 野谷荘司山から見た三方岩岳。岩壁が特徴
1730m鞍部付近 往路でデポしたワカンを回収
この尾根を下る この雪渓トラバースだけは滑落注意
1602m峰西側鞍部から1602m峰を見ている 1602m峰から見下ろす
標高1470m付近 標高1440m付近
標高1340m付近 標高1340m付近
有料道路料金所 標高1170m付近
登山口直上 登山口
駐車場


・2日前に馬狩荘司山〜仙人窟岳をやっつけたので、残りは野谷荘司山〜妙法山。前回とは県境稜線を反対方向へ進むことになる。昨日は南から暖かく湿った空気が入って朝から強い雨が降り、おそらくは山の上も雨で新雪は相当部分が溶けてしまったと考えられたが、もし山の上は冷たい雨で雪がほとんど解けなかった事態を考慮して、今回はワカンを持つことにした。もし雪が消えていれば途中でデポすればいい。

・今回の登山口は車は皆無。世の中的には大型連休が終わって平日だからであるが、我が社は情報システム入れ替えのため木、金とお休みのままと超大型連休。その分の休みはどこかで削られるはずだが。県境稜線までこれで2回目のルートなのでもう迷うことは無い。

・きつかった仙人窟岳から中1日しか経過していないので体力は100%ではなく、所要時間はどれだけかかるか判断に苦しむ状況であり、今回も日の出前から動き出すことにした。勝手知ったる道なのでライトの光で長時間行動してもルートに迷うことは無い。

・天候は回復し満天の星空の中を出発。昨日登った山は僅かな歩きだけであり、ほとんど丸一日休養日とした影響か、思ったよりは足は重くなく順調に高度を上げていく。風が強いかと心配したがほぼ無風で絶好の登山日和だ。今日も日焼けしそうで日焼け止めと麦藁帽子を持ってきている。

・一昨日同様に北側斜面を巻く場所は雪が締まって滑りやすいのでアイゼン装着。この標高では一昨日の新雪は完全に消えて古い足跡だけが残っている。さてこのまま県境稜線でも新雪が消えているといいのだが。

・北斜面から尾根上に戻ると新雪が完全に消えて地面が出ているのでアイゼンを脱いで登る。これより先では1780m峰の先の下りまではアイゼン不要だった。

・県境稜線に乗ると新雪はすっかり消えて良く締まった古い残雪が広がり、雪の上に乗ってもほぼ沈まない。これなら思ったより体力の消耗なしに妙法山まで行けそうだ。もうワカンを使う可能性はないので目立つ場所にデポした。今日は平日だし、わざわざワカンを持ち去る人はいないだろう。

・新雪は消えたが古い雪の上には浅く大きな足跡が残っていた。一昨日には野谷荘司山方面に1人の足跡があったがその名残なのか、それとももっと古い足跡なのかは不明だ。どちらにしてもこの残り方では相当きついラッセルだったに違いない。

・一登りで野谷荘司山山頂部に到着。明瞭なピークだがてっぺんは平らで広い山頂で、ここが山頂だ!という明瞭な高まりは無い。夏道があるので山頂標識もあるのかもしれないが、今は一面の雪原で人工物は見当たらない。それだけ積雪が多いのか、それとも最初から標識が無いのか、あっても高さが低くて雪に埋もれているのか。

・ここから妙法山までは大きなアップダウンは無いので気が楽だ。新雪はすっかり消えて良く締まった固い雪なので歩くペースが2日前より大幅アップ、しかも体力の消耗は少ない。大きく浅い古い足跡の主の苦労を考えると・・・・。この人はどこまで行ったのだろうか。

・野谷荘司山〜妙法山間は夏道があるが、ほぼ全てが雪に覆われて夏道の存在が分かるのは僅かな区間だけだった。全体的に尾根幅が広いのが豊富な残雪の大きな要因だろう、2日前の仙人窟岳手前のような藪が出た場所は皆無だ。しかし尾根が広いのでガスられると厄介な地形と言えるだろう。今日は好天で問題なし、日焼けが確実なので県境稜線に乗ってからは顔や腕に日焼け止めを塗っている。おまけに麦藁帽子も。今回は暑さ対策で濡れタオル、扇子も準備してきたが、稜線上はきつい登りが無いので暑さに関してはほとんど問題にならなかった。

・野谷荘司山の次のピークである1770m峰では主三角点が登場。これを見るのは久しぶりだ。1770m峰の次は1780m峰で、先人の足跡はここで途切れていた。2日前の激ラッセルを考えると疲労のためここで引き返したと考えるのが妥当だろう。

・県境は1780m峰から南西へ下っているが、この付近は2重山稜になっていて南にも尾根がつながっている。ここで地形図を見れば県境を下って無駄な高度差を損しなくて済んだのだが、ぱっと見で南へ下る判断をしてしまった。南斜面は雪庇になりかけのかなり急斜面でノーアイゼンでは危険で下れずここだけアイゼン装着。下った先は小凹地の東側で、西を見るとここより標高が高い鞍部が見えてルートミスが発覚。ただし、夏道は私が今回歩いたルートに近く、県境稜線には道が無いので雪がある時期以外は使えない。

・鞍部からシラビソ樹林を登って県境に復帰し、さらに進んで美濃原山山頂手前まで来た。日本山名事典に記載された美濃原山は地形図では夏道は山頂東を巻いているので、残雪を利用して真の山頂を踏むことにしている。ここも残雪で藪は皆無だと思っていたら、山頂手前で雪が消えて強固なハイマツやコメツガ低木の藪を形成していた。三方岩岳でも同様の体験したがそこよりもさらにたちが悪い。大半が地面付近から横に太い枝を延ばしたコメツガで、人力ではその枝(幹?)を動かすのは不可能な固さで、枝の上に乗って枝の間を移動する必要があった。枝から地面までの高さは1m近くあるので一度地面に降りてしまうと登るのが大変で、バランスを取りながら枝を乗り移って最高点らしき場所を目指す。山頂部は平坦なので明瞭なてっぺんは特定できず、この辺だろうと思えるところを山頂と認定。強固なツガ低木藪の真っただ中なので人工物は皆無だった。

・県境稜線直上は同じような激藪が続いているので、南に降りて最短距離で残雪にありついた。幸いにして県境稜線の左側には残雪がずっと続いて藪漕ぎの必要はなかった。正面に最後の目的地である妙法山が見えるが、こちらがわの斜面はどこも急で取り付きから苦労しそうだ。これならマジなピッケルとマジなアイゼンにしておけば良かったと少々後悔。

・妙法山手前の1640m鞍部から最後の登りにかかるが、夏道があると思われる正面斜面は木が無い急斜面で滑ったら止まらなそうなので、右手のダケカンバが生える斜面を登ることにした。そこそこ急だが木が多いのでまだ滑落のリスクはさほど高くない。県境稜線北側直下に出ると尾根上は立ったハイマツが出ているので、その下の残雪帯をトラバースするように上がっていく。

・やがてハイマツ藪が切れて県境稜線に乗ると僅かな区間だけ夏道が出ていたが相当な傾斜で、この先は夏道が再び藪に埋もれてさらに傾斜が増し、その急斜面には眼下にも立木が無く滑落したら今の装備では止められそうになくマジで危険地帯。まさか今回のコースでこんな危険地帯があったとは。

・まっさらな雪の上を進むのは滑落した時を考えるとヤバすぎるので、藪と山雪の境界部を藪に掴まりながら登った。藪の中が最も安全だがここの藪は美濃原山山頂と同等の藪で、中に入ったらとても進めるものではなかった。藪を左に回り込んで下方に藪がある状態になれば一安心で、ここまで県境直上ではなく北斜面を登ってきたのが県境稜線に移って傾斜が緩むと夏道が登場。北側にコケると滑落してしまうので低い灌木の生えた南側を通過した。

・妙法山山頂部は意外にも雪は完全に溶けて広範囲で地面が出ていた。もう安全地帯なのでアイゼンを脱いで休憩。雪は無くても立木皆無で大展望。ここまで来ると白山がだいぶ近い。南に見える顕著な山は日照岳かと思ったら帰宅後に調べたら三方崩山と奥三方岳であった。あちらに登ったのは何年前だったか思い出せないが、たぶん10年以上前だろう。

・今日は無風快晴で休憩には最適な天気だった。銀マットを敷いて寝転んで休憩。最後の最後で危険地帯が待っていたがクリアできたし、この界隈を登ることはしばらく無いだろう。少なくとも夏道がある山で未踏は無いかなぁ。笈ヶ岳より北側は残雪期に登るべき山はまだまだある。

・下山は出だしの急雪面さえクリアすればその後は危険地帯は無いので慎重に行動。ピッケルではなく藪の枝を掴んで安全を確保した。本当の危険地帯は10m程であったが、帰りの下りの方が往路の登りより安心して下れた。この状況に慣れて感覚が麻痺したのだろうか? 気温が上がって適度に雪が緩んで、往路よりもアイゼン、ピッケルとも効きが良かった影響があるかも。

・危険地帯を通過して、その後はアイゼンを利かせて1640m鞍部へ至り美濃原山へ登り返し。帰路では1780m峰は通過せずに西側を巻くことにした。しかし想定していたより低い標高で巻いてしまったようで、山肌に深く刻まれた谷をいくつか横断する個所があり、それぞれ傾斜がきつく対岸には藪が出ていて高巻きが必要だったりと、正直に県境稜線を歩いたのと大差なかったように思う。野谷荘司山南の1720m鞍部で県境稜線に復帰した。

・野谷荘司山で小休止し、県境稜線から離れて東に下る直前の地点でワカンをデポしたが、往路ではワカンが簡単に見つからずに焦った。まさか他の登山者が持っていったのかと疑ったが雪の上には新たな足跡は無く、本日の登山者は私だけ。さらに先に進んで無事にワカンを発見できた。

・尾根の下りは出だしだけ急雪面のトラバースがあって少しイヤらしいが、その後はアイゼン不要な場所が続き、尾根が痩せた場所では雪が消えて夏道が出た場所が続くためアイゼンを脱いだ。尾根上にも私の足跡以外は無し。今日は一般では平日だからなぁ。最後の残雪帯を通過して夏道を下って登山口へ。今回は2日前より行程が短かったので日が高いうちに下山できたし、思ったよりも疲労しなかった。

 

都道府県別2000m未満山行記録リスト

 

日付順2000m未満山行記録リスト

 

ホームページトップ